前々から行きたかった霧島へ行くことにした。昔、35年ぐらい前、会員バスで家族みんなで鹿児島旅行に行った時、ホテルでの朝食前1人で韓国岳を目指したが時間が無いので途中で断念した事があった。機会が有れば行きたいと思いながら今まで登ったことがなかった。
自宅を朝3時半に出てえびの高原に向かう。高速道路料金が筑紫野I.CからえびのI.Cまで乗っても1,000円なので気楽に行ける。
3時間40分掛かり7時10分にえびの高原に着いた。登山準備をして7時25分登山開始。まず道路に並行して舗装された道を硫黄山に向かう。標識に従って韓国岳方面に進み石ころだらけの道を行く。まず一合目の標識、二合目、四合目、五合目、六合目、八合目の標識を過ぎて韓国岳山頂に到着。途中ちらっと大浪の池が見えたがあとはガスってきて何にも見えない。山頂付近にはダイモンジソウが咲いていた。韓国岳山頂には1時間45分掛かって9時10分に着く。あとから4人ほど登ってきたので30分ぐらい雑談をする。
京都から来た人は九州百名山はすべて登ったと言う。これから縦走して高千穂河原に下り、その足で高千穂峰まで登るとの事。そして又山道をえびの高原まで引き返すと言う。私は「とても無理だろう」と言い、「私は今日は縦走して高千穂河原まで、15時50分のバスに乗ってえびの高原まで戻り、明日、高千穂峰に登る」と行った。
その人はどうしても今日中に高千穂峰に登りたい様子で縦走せずえびの高原まで戻り、車で高千穂河原まで移動して高千穂峰に登ると言って別れた。9時40分、ガスった中、獅子戸岳に向かって歩き始める。ガレ場で足を取られないよう注意して進む。 途中、チラッと新燃岳が見えた。急坂を下ったと思ったら長い登り、行く手遠くに獅子戸岳、新燃岳が見えるがとても遠くに見える。果たして今日中に辿り着けるのだろうかと不安がよぎる。そんな時、可憐なヤマオダマキがそっと慰めてくれる。
狭い獅子戸岳の山頂には9時40分に着いた。すぐに新燃岳に向かって出発。途中、狂い咲きのミヤマキリシマが1輪だけ咲いていた。新燃岳の火口縁に着いたがどちらにいけばいいのか判らないのでそこにいた人に山頂は何処かと聞く。「あそこの人がたくさんいる所」と教えてくれた。「そこの右の方が高いが」と言うと「あそこには行けません」と言う。火口縁は左回りしか出来ない様だ。
火口の底がエメラルドグリーンで美しい。しばらく前は茶色をしていたそうだ。最近又綺麗な色が蘇ったという。10時20分に新燃岳山頂着。ここでパンをほおばる。10時35分、中岳に向かって進む。綺麗な木製の階段が続く。向こうから登ってくる人も多い。
13時、中岳山頂着。火口は水が溜まっていなく少し寂しい景観だ。すぐに高千穂河原に向け下山する。道はきちんと整備されて歩きやすい。高千穂峰が綺麗に見えないのが残念だ。しばらくして九州自然歩道の石畳に変わる。木陰の石畳には苔が生えていて滑りやすいので注意が必要だ。
14時5分、高千穂河原に下りてきた。バス停を探してえびの高原行きのバスを探すが午前中の2本だけで午後の便が無い。この山行きの前、インターネットで山行きの記録を読んだが「高千穂河原で15時50分のバスでえびの高原に戻る」と書いたあったのは5年前の事。バスは2年前に午後の便は廃止になっていたのだ。「しまった!準備不足だった」と後悔したが後の祭り。傍にタクシーが停まっている。駐車場の管理人に「ここからえびの高原までタクシーで幾ら位かかる?」と聞くと「4,000円ぐらい」と言う。「えらい出費だな〜仕方ないな」と思いながらまずトイレに。
そこでばったり先ほど韓国岳で会った京都の人と再会。「バスが無い」と言うとその人は自分の車でえびの高原まで送ってくれた。ラッキー!(これも日ごろの行いがいいせいか?と自画自賛する)。やっぱり山頂では雑談も必要。お互いにムスッとして一言も喋らないのはいけないことだと再認識する。
えびの高原の「えびのレストセンター」でソースカツ丼を食べ、えびの高原駐車場で410円払って近くのえびの高原温泉ホテルで立ち寄り湯500円で汗を流す。それから道の駅「霧島」へ向かう。途中道端で綺麗な「丸尾の滝」が有った。 道の駅「霧島」で顔見知りの人に出会った。昔の職場の人に似ていた。名前は忘れていたが声を掛けると向こうも思い出したようだった。佐賀の工場で一緒だった人だ。雑談をして分かれる。その人も今回の縮小で会社を辞めたそうだ。歳は59歳。私より1歳若い。
道の駅「霧島」は高台にあり、夜間は駐車場も閉めてしまう。1段下った公園に車を移動してそこで車中泊することにする。上に「神話の里公園」が有り、桜島がよく見える。暗くなるまで付近を散策。暗くなって車の中で眠るが助手席を倒しただけで寝ていたので寝心地が悪い。
まだ暗いうちに高千穂河原に移動。暗いうちに登り始める人が何人もいたが私は初めてなので明るくなってから登ることにする。12Vの電気ポットでお湯を沸かしカップラーメンをすする。パンとコーヒーも食す。
明るくなったので6時から登りはじめる。九州自然歩道の石畳を進む。途中からガレ場となり注意して進まないと滑り落ちる。昨日縦走した山並みが左手に見えた。今日は天気がいいので景色が素晴らしいだろうと思ったがだんだんガスって来た。途中の中岳や馬の背が何処だか判らないまま標識を頼りに高千穂峰に7時47分到着。
山頂を一回りしたが景色は見えず風も出てきたので、人に誘われるまま山頂小屋に入る。ドアを開けたままでも中にはあまり風が入らず心地よい。私のほかに6人ほど入ってきてしばらく雑談をする。お坊さんの格好をした人。東京から出張に来て暇をみて登りに来た人。地元の人。親子連れ。ドアの外は時々明るくなるが景色が見えるまでは回復しない。
3時間近く山頂にいるのも時間が勿体ないと思い下山することにする。だいぶ風が弱くなったので山頂で写真を撮って貰い往路を引き返す。だんだんと見晴らしも良くなってくる。来るときはこんな所を通ってきたんだと感慨一入だ。御鉢から下るときは一段と注意が必要だ。赤い色をした土がガラガラと音を立てて崩れ落ちる。靴を横向きにしてカニの横ばいのようにして下る。岩が有るところは極力、岩を伝って下りる。
高千穂河原駐車場に12時に下りてきて車内でお湯を沸かしカップラーメンをすする。駐車料金410円を払う。朝早くは駐車場の管理員は居ないが入れる。下山して車に戻るとフロントガラスに請求書が挟んである。これはえびの高原駐車場も同じだ。えびの高原まで移動して、えびの高原温泉ホテルで立ち寄り湯を利用しようとして昨日と同じように500円玉を入れて券を買おうとするが500円の所は売り切れランプが点いている。ホテルの人に尋ねると今日は「風呂の日」で400円との事。なるほど400円の所は売り切れランプが点いてなかった。えびのI.Cから高速道路に乗り帰福。
今回は自分でもよく登ったと思う。松九会登山クラブで天草の蕗岳に登ったのが8月22日。阿蘇杵島岳・中岳に登ったのが8月26日。久住山が8月29日。阿蘇中岳〜高岳が9月2日。そして今回の霧島が9月5日〜6日。1週間に2回は登った勘定になる。疲れたのでHPへのアップがだいぶ遅れました。
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